Interview | THE LET’S GO’s (from Tokyo)③

Interview | THE LET’S GO’s (from Tokyo)③
USツアーを振り返る②

アメリカ・ツアーでは
今の自分たちの状態を
確認することが
できたのも良かった。

Caption for all photos:COCO(THE LET’S GO’s)
DAY6:突っ込んでいくような
 怒涛のライヴを
 女の子バンドでやっている。
 そんな衝撃をアメリカに落としてきた。

モエコフ ライヴが終わって朝まで車移動して空港へ行って。

COCO 移動先のサンフランシスコでお世話になったアヤさんという方が“お母さん”みたいな方で、とても良くしてくださったんですよね。「喉を潰してしまった」と伝えたら、生姜とレモンの蜂蜜ドリンクを作っていてくれて。(写真の)右はトローチ。「ライヴハウスに持って行きな」って持たせてくれました。(写真:DAY6-01)

ミィ サンフランシスコに到着すると、お腹を空かしていた私たちに(アヤさんの)ダンナさんのロバートがタコスまで用意してくれていて。(写真:DAY6-02) 「好きなものを食べていいよー」って言われたんだけど、どうしようどうしよう」ってなってて(笑)。

モエコフ タコスの食べ方もわかんないし、何かもわかんないしで、台所をウロウロしていて(笑)。

全員 わはははは。

モエコフ そしたら、バーベキューセットをパカっと開けて「食え食え」って。そして、ソーセージを焼いてくれたり。

ミィ でっかいホットドックとか、めっちゃ美味しかったね!

COCO で、その日の夕方にサンフランシスコでショーをして。あ、そうそう。これがThe Shanghaisのナタリーで、これがRip Offsグレッグのバンド、Control Freaksです。(写真:DAY6-03)

−−Control Freaksはどうだった?

COCO 良かったですね! やっぱりナタリーが可愛くていいなーって。金髪でちょっと小悪魔っぽい雰囲気の、味のある美女っていうイメージで。

−−当初はこのラインナップの中にガールバンドのThe Shanghaisも入っていたんだよね?!

COCO そうそう。それが、他のメンバーの都合でキャンセルになってしまって残念でした。ここもツアー初日のミネアポリスと一緒で、都市部だったということもあるのかな? ライヴのリアクションが都市部の方たちだなっていう印象でしたね。

ミィ あと、この日はサンフランシスコ在住で、「レッツゴーズ、アメリカに来てよ!」って言っていた日本のガールバンド・ファンの人たち何人かが観に来てくれていたよね。

モエコフ それから現地に住んでいる日本人の方…アヤさんのお友だちもチラホラ。私としては、親元を離れて外国で自由に暮らしている人たちに会えたのは刺激的でしたね。自分的には信じられないことだったので(笑)。そして、前日までのウィスコンシ州の感じとはガラッと変わって、自分が思い描いていたアメリカに近くなったなという印象があったかな。

ミィ 街並みもちょっと悪そうというか、乾いたアスファルト感があったよね(笑)。

モエコフ 都会だったね。夜は怖そうな人たちがウロウロしていたし。

−−共演した方々といろいろ交流できた?

COCO 「グレッグが口をポカンと開けていたよ」「ビックリしていたよ」って、ライヴを終えてからアヤさんが教えてくれたんですよ。アメリカでバンドをやっている人たちって“音楽は楽しむもの”という感覚の方が強くてパフォーマンスもユルいから、私たちのド真面目で突っ込んでいくようなライヴ、しかもそれを女の子がやっているということが、ショックみたいだったって。「こっちで音楽やっている人たちに、レッツゴーズはすごく良いものを見せてくれたよ」ってアヤさんに言ってもらえました。

DAY 07:アメリカ・ツアーやったけど、
 失敗もしたし、これからもっと頑張る!

−−良い話だね。そして、最終日の話題に。

ミィ (笑)この配信のオファーはいつ来たんだっけ?(写真:DAY7-01)

COCO ミルウォーキー滞在中だったかな。

ミィ レッツゴーズのメールに直接テレビ局でのライヴ配信のオファーがきたんですよ。

−−サンフランシスコ地元のテレビ局?

COCO たぶん、そうかな。

モエコフ 配信専門チャンネルですね。バンドのスタジオ・ライヴ映像をネット配信する専門のチャンネルのようでしたよ。

COCO 配信時間は、現地ではお昼だったんですが、日本時間では朝早かったんですよね。日本とはまた違う雰囲気だったよね。

モエコフ 空気が違うからかな。

−−これはまた良い写真だね。

COCO モエちゃんが、もはや現地の人と化している(笑)。(写真:DAY7-02)

ミィ モエちゃん、ここら辺では完全にほぐれていますからね(笑)。

モエコフ ずっと疲れていたんですけど、ツアー初日からツブれたミィちゃんみたいに私もはっちゃけてパーッとやろうと思っていたんですよ(笑)。

ミィ それ、勘違いだから(笑)。

モエコフ ほんとだね。でも、ずっと勘違いしたままだった(笑)。

ミィ いい方に勘違いしてもらって良かった!

モエコフ 私もそんな風にエンジョイできたらと思っていて(笑)。もうこんなんで(ライヴに)出ちゃいますかって。そんなノリになっていました。(写真:DAY07_01)

−−モエちゃんの風格がすごい。

ミィ だけど、あの体験は本当に面白かったよね。撮影隊のクルーがすごくテキパキしていてすごく印象に残ってる。

モエコフ 正直なところ、あんなにちゃんとした人たちに迎えられるとは思っていなかったから(笑)。

ミィ しかも、スタッフめっちゃいたじゃん。PA・映像・チェックする人…各担当者が総勢10人くらいいたよね。

モエコフ 「音はラインで出すから」とか。3カメあったしね。ぶっちゃけ、最初オファーをもらった時はニコ生みたいなものを想像していて、せいぜい2〜3人がホームビデオで撮影するというイメージだったので、面食らっちゃって(笑)。

ミィ いやー、ほんと楽しかったね!

モエコフ アメリカ・ツアー中に突然連絡が来て、こんな展開になるなんて。ぶっちゃけ、私は絶対詐欺と思っていたから(笑)。

全員 わはははは。

ミィ モエちゃん、「そんなのやめた方がいい!」ってずっと言っていたもんね(笑)。

モエコフ 「ありえない」「おかしいでしょ!」って(笑)。

ミィ 若干キレていたし。

COCO 「英語喋れると思われていたら困るから、私がメール返すから」って(笑)。

モエコフ いや、信じられないと思って。何でふたりともそんなものをホイホイやろうとするのかなー怖いなーってずっと思っていたよ(笑)。

ミィ そんな感じで3人でごにゃごにゃやっていたんですけど(笑)、アヤさんに相談してそのままその窓口になってもらって。結果こんな楽しい展開になったという。(アメリカ・ツアーをやったという)リアルな証拠も残ったね。

COCO ありがたかったね。

ミィ で、そこからこんな感じなりました。“現地の人と日本の人”という差が顕著な写真に(笑)。(写真:DAY07_02)

−−モエちゃんと並んでいると、ミィちゃんが“普通の旅行者”に見えてくる(笑)。そして、これが噂のVAMPだね。

COCO はい。古着もあって、すごく可愛かったね。

モエコフ その写真がないんですけど(苦笑)。

COCO 日本では考えられないようなシチュエーション…お店の一角でやったんだよね。

ミィ ヴィンテージの洋服屋さんというか、雑貨屋さんというか。

−−VAMPでのライヴはどういう経緯で実現したの?

COCO そのアヤさんに組んでもらったんですよ。

ミィ たぶん、VAMPではちょこちょこライヴをやっているんだよね。

モエコフ そんな感じだったよね。あんなに人が入ったの見たことないって言っていましたよ。

COCO そうそう、(The Phantom Surfersの)マイク・ルーカスが急遽オープニング・アクトで出てくれたんですよ。

−−ええー! しかもソロで?!

COCO はい。謎の語りソング的なパフォーマンスだったんですよ。ベース・プレイヤーなのにギターを持って。

ミィ そう、弾き語りとも言えない、謎のパフォーマンスを(笑)。

−−漫談的な?

モエコフ 漫談漫談(笑)。

−−マイクならやりそう(笑)。

COCO 何を言っているのかよくわからないけど、物語なのか、何なのか…。

ミィ 英語だったから、何て言っているのかはわからなかったけど(笑)。

COCO ギターも別に音楽っていう感じではなくて、間が空くとペンペン…って爪弾く程度で(笑)。

−−すごい。レアなパフォーマンスを観たね。

COCO はい。すごくいいおじさんでしたね。気さくで面白かったです。

ミィ テディベアみたいだったね(笑)。

−−マイク、冗談が止まらなかったでしょう?

COCO ずっと「ヘソを取る」って。

ミィ ギャグだったのかな?

COCO マイクにヘソを取られて「ああっ!」ってリアクションして、ヘソを戻されて「よし!」っていう遊びをしていました(笑)。

−−謎だな(笑)。

ミィ ラッソー(The Phantom Surfers /The Mummies他のメンバー=ラッセル・クアン)も観に来てくれていたね。

COCO The Mummiesの練習があったみたいで寄ってくれたんです。マイク・ルーカスも出るということで。あと、そうそう。この時のライヴ、途中でマイクが出なくなるハプニングもあったんですよね。

ミィ ヴォーカルのマイクが完全に飛んじゃって。

−−人が詰めかけすぎて?

ミィ いや、うちらの問題? モエちゃんのドラムも大きいし、それに合わせてギターとベースの音を出しているので、小さい部屋用のミキサーのマイクでは間に合わないレベルになったんじゃないかなって想像しているんだけど。

モエコフ おそらく卓が飛んだ。

COCO それで、途中からドラムをそ〜っと叩いてもらうようにして。

ミィ そこからアコースティック・ヴァージョンに急遽切り替えたんだよね。

COCO 生ヴォイスに合うように機材を調整してね。

モエコフ ドラム・ケースに入っていた布やシートを、とにかく全部被せて(笑)。

COCO セット・リストも急遽変更して。

−−あららら。

モエコフ アメリカ最後のライヴでそんなアクシデントが(苦笑)。

ミィ 一瞬「さあ、どうしよう?」ってなったけどね。

−−それは大変だったね。あれ、この写真は?

ミィ ライヴ前の写真ですね。(写真:DAY7-03)

モエコフ 写真はもう全部ライヴ前に撮ったものですね。

ミィ これもそうだね。(DAY7-04)

モエコフ ほんと、最後の最後に突然のアクシデントでしたね。

ミィ そうだね。それまで全然ライヴ中のアクシデントってなかったけど、最終日にきたね。マイクかー!って。

モエコフ 鼻を折られた感じだったね。

ミィ でも、それが逆に良かったかもしれない(笑)。

モエコフ 最後の最後でキレイに終わらなかったのが逆にね(笑)。

ミィ リベンジというか、帰国しても(天狗のような仕草をして)こうなっていないところが良かったかもって(笑)。

−−というと?

ミィ 「アメリカでやってきたぜ〜!」「パーフェクトにやってきたぜー!」ていうんじゃなくて、アメリカ・ツアーやったけど、失敗もしたし、またこれからも頑張る〜!っていう気持ちで引き続きやっていけるというか(笑)。

モエコフ そうだね。あのまま最後までバシッとキマっていたら、きっとうちらは鼻を変に高くしてしまっていたかもしれない。

ミィ そういう突然のトラブルにも対応できないレベルのままね。今度は失敗してもカヴァーできるくらいの何かを持って行きたいと思いましたね。

モエコフ 今回そういう具体的な課題を持ち帰れたのが良かったって解釈できる、自分たちにとってみればプラスに持っていけるシメのライヴになったのかなって。

COCO 自分たちの今の状態確認できたというか。たぶん前のうちらだったらそこでライヴを終わりにしていたかもしれない。でも一応臨機応変に対応することはできたもんね。

ミィ そうだね。しかも、その時のライヴですらみんなに「良かったよー!」って言ってもらえたんだよね。うちらとしては正直アコースティックってあまりやってきていないから不完全燃焼な部分はあったんですけど、それでもお客さんは「良かった」って言ってくれて。私は泣きそうになりました(笑)。「ありがとよ〜!」って。

COCO 本当に温かかったね。

ミィ お昼にうちらを撮影してくれたスタッフさんたちも観に来てくれていて、最終日はとにかく嬉しかったです。

 

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