Interview | THE QUESTIONS

Interview | THE QUESTIONS

これまでの経験とここ数年の変化が生んだザ・クエスチョンズの音楽

——早速新バンドについてなのだけど、ザ・クエスチョンズというバンド名がいいね。シンプルで固定されたイメージもないフラットなワードがすごく良いなって。そう言えば、six 時代に「QUESTION」という曲をやっていたでしょう? 何か関係はありますか?

チェリオ あ、そうなんです。その「QUESTION」もちょっと意識しました。ライヴでもよく演奏した曲なんですよ! 探せば他にも同じ名前のバンドがいるとは思ったんですけど、〈QUESTION〉という言葉にピンときたのでバンド名にしようって。それに今回は”THEナントカズ”みたいな王道のバンド名にしたいというイメージが最初からあったんですよね。

——〈QUESTION〉の繋がりで言うと、今回の1st音源「恋の予感」に入っている「I am I」がsix の「QUESTION」で歌っていた「Question! Who?」という歌詞に引っ掛けてあるようにも感じられて。その辺りはどうですか?

チェリオ そうそう。sixの「QUESTION」では”誰なの?”という問いかけをしていて、対してザ・クエスチョンズの「I am I」では(呼応するように)”私は私”という新たな宣言を歌っていますね。自分の中では出産と育児、そして東京を離れたことが、今作っている曲に直接影響しているかなって。この数年間の大きな変化の中で生まれた”自分は何者なのか?”という問いが反映されていますね。

——1曲目「QUESTIONS」は、新バンドの1曲目に相応しいストレートなパンクナンバー!  めちゃめちゃ痛快。最高です。チェリオちゃんワークスの中では新しい一面を見たという気がしているのだけど、どんな風に生まれた曲ですか?

チェリオ この曲は前に在籍していたバンド、The Royal Nine Minutes(ロイヤル・ナイン・ミニッツ)から受けた影響が大きいんですよ。リーダーで、sixのメンバーでもあるイズミちゃん(Vo/G)は素晴らしいメロディメーカーだと思っています。RNMでの活動は私にはとても刺激だったし、勉強にもなりました。歌詞に関して自分の娘の「なんで? なんで?」という問いからイメージを膨らませた感じですね。

——チェリオちゃんと言えばのワイルドなシャウトはマフスのキムと重なってグッとくるね。実際にマフス好きでもあったのだっけ?

チェリオ わわわー、すみません。実はあまりちゃんと聴いてなくて…。でも周りにマフス好きが多いので、知らず知らずのうちにその影響は受けているかも。キムが亡くなったニュースは私もすごくショックでした。彼女の声はとってもカッコいいし、感情を揺さぶられるようなあんなシャウトはやっぱり憧れます。

——2曲目の「恋の予感」についてはどうですか?

チェリオ 今回の3曲のうち「恋の予感」以外は初期からずっとやっていた曲だったのでサクッと録音できたんですけど、「恋の予感」は私たちにとっては展開が多い曲で(笑)。ちょっと緊張しながら録音した思い出があります。これからライヴでもっともっと熟成させていきますよ。この作品に関してはまだ持ち曲の少ない中で、バランスの良い3曲をセレクトした感じかな。音源をリリースする時には激しい曲、ポップなものとか、やっぱり収録する曲のバランスを考えて曲を決めていきますね。

——今回送ってもらったアーティスト写真の中には作品名の“恋の予感”と書かれたスナックらしき看板が写っているけれど、ひょっとして実在のお店? この看板、もしくはスナックが新作に何かしら大きく影響を与えているとか? 

チェリオ (笑)これはスタジオの近くにあるスナックなんですよ。もう閉店していると思うけど、沖縄へ移住してきた当初からずっと気になっていた看板だったんです。こういう形でコラボできて嬉しい!(笑)

——(笑)。

チェリオ あんまり気になり過ぎてスタジオ練習の時に看板バックにスナップ撮影したんですけど、最終的に1stシングル用のアーティスト写真として使うことになりました(笑)。で、ちょうどその写真を撮った時に作っていたのが「恋の予感」で、ノリでいいんじゃない?ってそのまま曲名にしちゃったんですよ。あとは、いつか「恋の予感」というスナックを3人でやりたいなーという密かな野望があって。はい、練習中はこういう無駄話ばかりしているのです(笑)。

—— “恋の予感”にこれだけたくさんのエピソードがあったとは(笑)。「恋の予感」には収録されていないけど、sixでも、このバンドでも「PETER GUNN LOCOMOTION」のカヴァーを早い時期からやっているね。やっぱり想い入れの強い曲ですか?

チェリオ わあー! なんでカヴァーしようと思ったんだろう?? 記憶がほとんどないのですが…確かに昔からずっとやっていますねー!!!


——元々はデル・モナスのカヴァーを聴いて? 

チェリオ はい、もうその通りです。大好きです!

——出産や沖縄への移住、チェリオちゃんを取り巻く環境がガラリと変わったわけだけど、作詞作曲をこのバンドでも手がけている中でsixの頃とは違うなとか、変わったなと感じる部分はありますか?

チェリオ びっくりしたのは妊娠中〜産後2年くらいまで優しい曲しか浮かんでこなかったんですよ。これは“子育てに集中しなさい”と言われているのだなと思いました。これまでと変わったこと…といえば、娘がいるので、今まで聴いたことのなかったジャンルの音楽、例えばEテレとか、ディズニーとか、プリュキュアとか? そういうのも積極的に聴くようになりましたよ(笑)。あと東京時代と違うのは、家族や周りの方のサポートがあってバンド活動ができていると言うこと。本当に感謝です。

——逆に変わんないなと感じる部分って? 

チェリオ やっぱりバンドが好きだな!ということですね。

——では、今回の音源をデジタル配信にした理由やパッケージに対する思いを聞かせてもらえますか?

チェリオ sixの初音源はアナログ7インチだったんですけど、今思うと贅沢でしたね。ザ・クエスチョンズもアナログでのリリースが理想だったけれど、デビューしたてでライヴもほとんどできていない無名の私たち。しかもコロナ渦…ということを考慮してリリースはデータオンリーにしました。ただ、やっぱりデジタルだけでは味気ないよねって。それでフィジカルで所有したいという方のために、ダウンロードコードと歌詞カードのセットを販売することにしました。シングルとしてデジタル配信を続けて、最終的にアルバムとしてアナログ盤でリリースできたら最高ですよね。学生時代にバイト代を握りしめてCDショップやレコード屋に通ったあのワクワクドキドキ感? 私としてはそういう感覚を忘れたくないなあと思っています。

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