Interview | THE COATHANGERS (from USA)

Interview | THE COATHANGERS (from USA)

THE COATHANGERS(コートハンガーズ)

Member (L→R): Rusty Coathanger(Vo/Dr) Crook Kid Coathanger(Vox/G) Minnie Coathanger(Vox/B)
Interview / Translate / Text :  Ayumi Tsubouchi

 

先月こちらの記事でツアー・スケジュールについてお伝えしましたが、米アトランタのパンク〜オルタナ・バンドTHE COATHANGERS(コートハンガーズ)が、いよいよ来日。今週1月28日(水)からツアーがスタートします。

さて、直前ギリギリになってしまいましたが、VAMP!では初来日公演を控えたコートハンガーズをメールで直撃。ツアー開始が待ちきれない様子の3人による最新インタビューを以下まとめましたので、ぜひライヴ前に読んでみて下さい。

ポップでハード、パンクでガレージ、そしてロックンロール。何でもアリのサウンドとも言えるけど、どこにもない、ワン&オンリーなのがコートハンガーズ。新作『Suck My Shirt』を引っさげて彼女たちがやってくるのも間もなく。ツアーにつぐツアーで叩き上げられた話題のパフォーマンスに期待しつつ、ライヴに備えましょう!

ちゃんとロックンロールする準備をしておいてね!

——3人はどのようにして知り合ったのですか?

「1998年頃にラスティ(Vox/Dr)とクルーク・キッド(Vox/G)が高校時代に知り合って、そのあと2005年だったかな…クルーク・キッドがミニーと出会ったのが始まりよ。当時2人は同じ靴屋さんで働いていたの。そこからバンドを始めたから、結成したのは2006年だったわ」

——メンバー全員がラストネームに“COATHANGER”と付ける、ラモーンズ形式で名乗っているのはなぜですか?

「まさにラモーンズに対するオマージュのようなものね。私たちって同じバンドをやっている仲間でもあるけど、まさにギャングみたいなものだから」

——じゃあ、バンド名の由来って?

「単に覚えやすくて、それでいてちょっと滑稽な感じをくっつけた名前にしたかったのよ」

——コートハンガーズの音楽性はとても多面的なサウンドですよね。ガールポップからガレージ、パンク、ポストパンク…など、様々なジャンルの音を含んでいますが、それはやっぱりメンバーの音楽的趣向を反映しているのでしょうか? メンバーの音楽的ルーツってどんな感じなのですか?

「あなたの分析はとても正しいわ! 私たち3人はバックグラウンドがそれぞれ異なっているのだけど、それがサウンドを通して伝わっているようで嬉しい。3人全員がパンクや昔からあるロック、ガレージを通ってきているけど、例えばクルーク・キッドが古典的な音楽にハマっている時期に、ミニーは古典的なカントリー・ミュージック、ラスティはスクリーモやハードコアに夢中だったり。だから、自分たちの曲を書いたり、自分たちのサウンドを作るために格闘している間にお互いにたくさんのものを学び合っていると言えるわね」

——あなたたちがやっているゴーゴーズの「We Got The Beat」のカヴァーをYouTubeで観たのですが、あれ、最高ですね! あの曲は何かきっかけがあって演奏するようになったのですか?

「あれは確か…全米ツアーの真っ最中だったんだけど、うちの事務所の人たちから“どの曲なら演奏できる?”って、候補曲のリストを手渡されてチョイスしたのが「We Got The Beat」だったの。理由は2つよ。ヴァンでの移動中でもすぐに覚えることができたから。もう1つは、ゴーゴーズの名曲であるこの歌を好きじゃないという人はいないじゃない?! 実際に演奏していても本当に楽しいわ」

——コートハンガーズには以前キーボーディストが在籍していましたが、なぜ脱退してしまったのですか?

「そうなの、残念ながら個人的な理由からバンドを脱退してしまったの。でも、そこに何のしこりもないわ」

——トリオ編成になってみてどうですか?

「そうね、最初は確かにスカスカした感じがあったのは否めないし、昔の曲に関してはちょっと手直しも必要だったけど、新しい曲を作り始めてからはもう大丈夫よ」

——3人体制になってから製作されたアルバム『Suck My Shirt』。過去のアルバム以上に、曲といい、サウンドといい、クオリティの高い作品になりましたね。ご自身の手応えとしてはどうですか?

「ありがとう! 私たちもこのアルバムをとても気に入っているわ。バンドを長くやっている分だけ音楽的な面でも進化を遂げているのだと思う。この作品はそれを完璧な形で示していると確信しているわ」

——ところで、みなさん、いつもどうやって曲作りをしているんですか?

「それはとても細やかにやっているわ! …というのは冗談だけど、いつもみんなでジャムをすることから始めるの。ウエンディ(編注:コートハンガーズのスタッフ)にずっと演奏を続けてもらって、何かフッとアイディアが浮かんできたら新たなアイディアを追加して、同時に歌詞を乗せていっているわ」

——“Suck My Shirt”というアルバム・タイトルはちょっと意味深な感じもしますが、今回のレコーディング中に起きたエピソードがその由来になっているんですって??

「そのエピソードは話せば長くなるのだけど、簡潔に言うと…最新作のレコーディング中、みんなでテキーラの瓶を回しながらガブガブ飲んでいたらその中の1人が誰かのシャツにこぼしてしまって。おかげでテキーラの残りが少しになっちゃったんで、どうやって彼のシャツからテキーラを吸い取ろうかって冗談を言っていたのよ。こうして話してみると本当にバカバカしいストーリーなのだけど、あの時はみんなでちょっと立ち往生してしまったの!」

——さて、コートハンガーズは精力的にツアー活動を行なっていますが、訪れてみてここは最高だったという場所はありますか?

「ツアーが楽しくて仕方ないわ。訪れる場所はどこもそれぞれの特性があるから各地を満喫しているという感じ。ありがたいことにヨーロッパ、オーストラリア、プエルトリコ…へ行くことができたけど、さあ、これからいよいよ日本ね!!!」

——地元アトランタには、コートハンガーズ以外にどんないいバンドがいますか?

「地元には素晴らしいバンドがたくさんいる。新旧どちらのバンドにもね! 若手ではDasher、Zoner、Black Linen、Wolves and Jackles…がお気に入りよ!」

——コートハンガーズは去年のギターウルフUSツアーでサポートバンドとして一緒に回っていたそうですね。その体験はどうでしたか?

「素晴らしかったわ! ギターウルフはやっぱりロックのレジェンドね!!! 毎晩どのライヴでもとてつもないエネルギーを発していて、私たちは感動を超える興奮を味わっていたわ」

——印象に残っているエピソードって何かあります?

「この上ないほどに楽しい時間を共にしたし、彼らにはとても良くしてもらったわ!!! 言葉の壁って人に意図せず笑えるようなことを口にさせてしまうことってあるじゃない? いつだったか、ジュリア(=クルーク・キッド)がギターウルフのメンバーに“Stock Monster(=買い物モンスター)”と呼ばれたことがあったわ。ええ、もちろんそれも良い意味で彼はそう言っていたのだけどね!」

——では、最後に日本のファンへメッセージをお願いできますか?

「ハロー、日本のファンのみなさん!! 日本でライヴをすることを待ち切れないでいるのよ! 素敵なみなさんに会えることに心からワクワクしているし、光栄にも思っているわ!!!! ちゃんとロックンロールする準備をしておいてね!」

(Thanks! Hiroko Ishikawa)

<<<あわせてチェック!!!>>>

★THE COATHANGERS Bandcamp
※最新作『Suck My Shirt』はもちろん、過去の既発作品の視聴が可能です。
★THE COATHANGERS (コートハンガーズ)ジャパン・ツアー特設サイト
※バンドのバイオや作品に関する解説が掲載されています。

INTERVIEWカテゴリの最新記事