THE DO DO DO’s


「N’夙川BOYSみたいなバンドをやりたい」。そんな憧れから2022年に結成されたTHE DO DO DO’s(ザ・ドゥー・ドゥー・ドゥーズ:以下THE DO’s)。ベースレス編成の男女ツインヴォーカルスタイルやローファイなロックンロールからも、フロアを巻き込むダイナミックなライヴパフォーマンスからも、嬉しくなるほどにN’夙川BOYSへの強いリスペクトが溢れ出る彼ら。だが、言うまでもなくTHE DO’sの魅力はそれだけじゃない。Z世代の新しい感性で90sサウンドとポップさをミックスした懐かしくも新しい独自のロックンロール。そして泣きのメロディやハーモニーの美しさで限定しない幅広いファンを魅了する。国内外の90sリバイバルブームとも共鳴し、世代や国を超えて今ますます注目を集めるバンドなのだ。
本格再始動からちょうど1年。自主企画を始めとする数々のライヴ経験に加え、N’夙川BOYSの元メンバーからなるRINDA & MARYAとの夢の2マン公演も果たし、着実に成長を遂げてきた彼らが新作「ボーイ・ミーツ・ガール」を6/9にリリースした。この3月に脱退したオリジナルメンバーのアカリンゴスター(Dr)が参加した最後の音源であり、クハラディ・クハラダ(Vo/G)の止まらない挑戦とオルタナティヴなアプローチが光る作品でもある。“ここからが本番”と力強く新たな始まりを宣言するTHE DO’sへ約半年ぶりにインタビュー。新作を中心に彼らの今を聞いた。
Member ヒノ・ヨーコ(Vo/G) クハラディ・クハラダ(Vo/G)
Interview/Text Ayumi Tsubouchi
意識したのはロックンロール以外の要素
⏤⏤前回のインタビュー、反響はどうでしたか?
クハラディ・クハラダ(Vo/G 以下クハラ) これまでああいうインタビューを受けたことがなかったことを考えると、読んだと言っていた人が多かったですね。
ヒノ・ヨーコ(Vo/G 以下ヒノ) うちらがどういうバンドなのかってまだどこにも言語化されていなかったもんね。
⏤⏤取材当時はTHE DO’sの正体がまだ謎に包まれていたでしょう? 結成して1〜2年しか経っていないのに復帰ライヴをやっていたり、絶妙なスパンで音源リリースやMV公開をしていたり。少し不思議で、どんなバンドなのだろう?って(笑)。
ヒノ あはは、確かに。
⏤⏤復活ライヴから1年。しかし、この1年でTHE DO’sは大きく変わりましたね。
クハラ めちゃくちゃ変わりましたね。それまではロックンロール系の場所でライヴをやることが多かったけど、最近はもっとポップ寄りのバンドや同世代の人たちとやることも増えて。最近では「Shimokitazawa SOUND CRUISING 2025」っていう大きなサーキットに出させてもらったりして、うまくそちら方面にもアプローチできているのは良いことかなと思っています。
⏤⏤ロックンロールの軸を持ちながら柔軟な活動を展開している感じが良いですね。
クハラ それは意識しているところではありますね。
⏤⏤それは音楽性に関しても同じことが言えると思うのですが、結構意識的にやっていますか?
クハラ やっぱり意識しているところですね。従来のロックンロールをなるべく出さない感じでやってみようかみたいな。
⏤⏤あ、今回のEPのことですね。
クハラ はい。もう少し”同じ世代の人たち”に受け入れられるようなオルタナティヴやインディロック色を強く出したいと思っていて。根がロックンロールな人間だからそういうのは何もしなくても自然に出ちゃっていると思うんですよ。だから、今回はそこじゃない部分へ意識を向けて作ろうと思って製作した感じですね。
⏤⏤そういう方向性についてはふたりで話し合って決めている?
クハラ 何もしていないですね(笑)。
ヒノ クハラが曲を作っているから、音楽性に関してはもうクハラの裁量で。で、自分はそれに対してどう歌おうかとか、ライヴしようかって考えるような感じですね。
⏤⏤クハラさんのハンドル次第という。
ヒノ そう。だからいつも「こういうことなのかな?」って自分なりに考えながらやっているというか。普通に話すこともあるけど、基本的にはお任せ。それは信頼しているからこそのことで、THE DO’sに関して言えばクハラさんのやりたいことを私が一緒にやるバンドという色が強いから。
⏤⏤ヒノさんは逆にそこを面白がってやっているみたいな。
ヒノ そうそう(笑)。実はいつも面白がりながら見ています。