Interview | SAGOSAID

Interview | SAGOSAID

なぜ“オルタナティヴギャル”なのかって?

そう名乗ることで

強くなろうとしているんです!

CHICKS RIOT!2019開催も、ついに今週末。出演・参加するアーティストのみなさんをインタビュー形式でご紹介するという、CHICKS RIOT!初の試みを突発的に展開しているのだけど、楽しんでいただいているでしょうか? そんなチャレンジ企画も最終回。

最後にお届けするのは、SAGOSAID(サゴセッド)。かつて京都を拠点に活動していたインディポップバンドshe saidの中心メンバー、SAGO(Vo/G)による“ソロプロジェクト”。SAGOSAID…? 聞いたことのない単語だと思いきや、何のことはなく、元she saidにいたSAGOのソロだから、だった。さりげなくもナイスすぎでしょ。SAGOSAIDというネーミングからも伺える、絶妙な抜け感とキラリと光るセンスの掛け合わせのバランス。これは90年代オルタナへの憧憬の滲み出るノイジーでラフなサウンドとキラキラしたメロディで構成された彼女の音楽にも通じているところだろう。

さて、SAGOSAIDが“ソロプロジェクト”として本格始動したのは今年に入ってからのこと。自主制作で春にリリースした1stカセット「Little Heaven」は、彼女の活動を待ち望んでいたファンの多さを物語るように瞬く間に完売。続く2ndカセット「Spring is cold」もまたレコード店を中心に高く評価され、今さらに注目を集めている。

90年代オルタナをリアル体験し、その音を追い求めて20年前シアトル・オリンピア…はてはカート・コバーンが生まれ育ったアバディーンへまで訪れた私へ、SAGOSAID は“あの時見た景色”“あの時感じた空気”を久しぶりに運んできてくれた。「とりあえず、27歳は無事に通過しました」とクスッと笑いながら教えてくれたSAGOへ、「これまでの道のり」から「なぜ自分を“オルタナティヴギャル”と呼ぶのか」までの話を聞く。なるほど、彼女の音楽に中指を立てている尖った感性が漂っていたのはだからだったのか。嬉しさと共感渦巻くインタビュー。

Interview/Text/Photo(*) Ayumi Tsubouchi

オルタナティヴでやっているけど、
精神性はパンクでやらせていただきます

――she saidからSAGOSAIDになるまでの道のりを聞かせてもらえますか?

SAGOSAID(以下SAGO)くるりが在籍していた立命館大学のサークル、ロックコミューンで後輩3人集めて結成したのがshe saidの始まりなんですけど、その時からオルタナ…オルタナでいいのかな? 当時は90年代オルタナという意識も特別なく、聴きやすいものを聴いていたって感じですね。デス・キャブ・フォー・キューティーとか、今も大好きなスーパーチャンクとか、ペイヴメントとか。メロディのいい音楽は当時からずっと好きで。

――うんうん。

SAGO ニルヴァーナも高校時代によく聴いていて今もずっと好きだし、京都のギターロックバンドシーン…シーンでいいの?(苦笑)…京都のbed、前に在籍していたSecond Royal Recordsの先輩でもあるHomecomingsとか、インディポップも聴いていました。ジャンルやシーンについては当時よくわかっていなかったけど、大学のサークルの人たちがみんな詳しくて、そこで耳にする音楽の幅がグッと広がっていって。当時はFUGAZIも知らなくて、初めて聴いた時、「随分速い音楽だな」って思っていたくらい(笑)。

――she saidは後輩と結成したバンドだったんですね。

SAGO タイミングが掴めなくて1回生はそのまま過ぎてしまって、2回生に上がってすぐに後輩を捕獲しました。Kレーベルが好きな子や「ソニックユースが好き」って言ったら食いついてきた子…4人で結成したんですけど、今SAGOSAIDでドラムやっているカイチくんだけはまた別。だけど、she saidから今も一緒にやってくれています。

――she saidはどのくらいやっていたんですか?

SAGO (2013年)20歳で結成して4回生の時にCDリリース…結局25歳までやっていたかな。Second Royalから音源を3枚リリースして、ライヴもたくさんやって、自分の想像を超えて多くの人に知ってもらうことができたんですけど、その状況に自分のメンタルがついていかずに行き詰ったというか何と言うか。何もわからない状態で周囲に言われるままやっていたからですかね。それで大学を卒業したいい機会だなって京都から実家のある名古屋へ引っ越して、she saidを休止したんです。

――なるほど。

SAGO 名古屋って地域柄パンクの強い場所なので、名古屋にいた頃はパンク三昧。(レコード店の)FILE-UNDER RECORDSの山田店長を始め、地元にいるシーンの人たちにはすごく優しくしてもらいました。そして、そこでパンクは(バンドが)売れるかどうかは(活動に)全然関係ないんだということに気づいて、感銘を受けたんです。みんな自分でやれる範囲でやっている。あ、これがみんなの言っていたD.I.Y.なんだって。

――自分にとって良いかどうか。やるのかやらないのか。そこですもんね。

SAGO そうなんですよ。MILK、Killerpass、NICK FITといい…みんな自由にやっていてカッコいいんですよ。やりたいことをやりゃいいじゃん! 自由にやればよくねえか? その思いを強要しないのがまたクールで。みんな悩んだりすることもあるとは思うけど、少なくとも私みたいにウジウジしていない(笑)。

――結果的にそういう方々が長く活動をしていますよね。

SAGO やりたいことをやるために自分に折り合いをつけている感じもいいなって。以前は精神性なんて気にしていなかったんですけど、すべてがつながっているとわかった時にめっちゃめちゃいいじゃん、と。パンクを深く聴いてきた人間ではないけど、オルタナティヴという今の感じのままで、精神はパンクでやらせていただこうと思っています(笑)。

――オルタナも元々はパンクから来ていますしね。

SAGO あ、それ、聞いたことあります。パンクシーンの方たちが私と仲良くしてくれたり、ライヴに呼んでくれたりしてくれるのを、ずっと不思議に思っていたんですよ。「私の曲、くそ遅えけどなんで?」って(笑)。そう教えてもらって納得しました。

©︎Ayumi Tsubouchi(VAMP!/CHICKS RIOT!)*

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