Interview | DJ KAOKERUZO

Interview | DJ KAOKERUZO

DJ KAOKERUZO

大好きなバンドの、
大好きな曲を、
爆音で流すのが死ぬほど楽しい

大きなレコードバッグを抱えて都内各地のライヴやイベントに東奔西走。ガレージやロックンロールを中心に有名無名/年代/スタイル関係なく、自分の“ときめきポイント”を揺さぶるレコードだけを爆音で轟かすDJ、KAOKERUZO(カオケルゾ)。去年のTHE ‘B’ GIRLS、今年のMALE GAZEジャパンツアー東京公演…たった2度だけど、ご一緒した時の彼女の選曲とモリモリDJする姿にビビッときて、今回迷うことなくCHICKS RIOT! 2019へお招きすることに。

「イベントではゆっくり話せないから一度お茶でもしません?」とダイナーで待ち合わせ、お喋りをしてみてビックリ。私がKAOKERUZOにビリビリきたのはだからだったのか。そう思わせるエピソードが出てくる出てくる。彼女の突出したセンスと炸裂するエネルギーの源をバッチリ知ることができたインタビュー。現在DJイベント『宝宝(パオパオ)』、『In The Van』のほか、“ライヴもDJもひとつのパフォーマンス”と捉えたご自身のライヴ企画『KERUZO NIGHT』…現在計3本をレギュラー主催するKAOKERUZOを、CHICKS RIOT!開催前にご紹介したい。本能のままにプレイする彼女のDJをとことん楽しむためにも、ぜひ読んでみて。

Interview/Text/Photo Ayumi Tsubouchi
KERUZO Daddy Photos ©️KAOKERUZO 

父は元竹の子族のロックンローラー!

――KAOKERUZO=カオケルゾという名前はニックネームですか? ご本名は明かしていない?!

KAOKERUZO いやいや、そんなことはなくて。自分のことを本名のめぐって呼ぶ癖があって、カオケルゾの名前しか知らない人と会話していると、「えっ?」ってよく驚かれるんですよ(笑)。

――KAOKERUZOの名にはちゃんと由来があるそうですね?

KAOKERUZO はい。まったくカッコいい由来ではないですよ。女の子を理由にしてナメられるのがイヤで、強い印象にしたいなって。それで、この名前です。

――えっと…それはどこから出てきたワードなのでしょう?

KAOKERUZO これ、私が怒る時の口癖なんですよ(笑)。「顔蹴るぞ(カオケルゾ)!」って。

――あっ、そうなんですか。その“カオケルゾ”。今気づきました。「しばいたろか」みたいな?

KAOKERUZO ええ、ノリとしてはそんな感じです。

――てっきり“カオル”さんというお名前なのだと思っていました。

KAOKERUZO よく言われます(笑)。残念ながら違うんですよ。多少大人になったから以前ほど「顔蹴るぞ!」とは言わなくなりましたけど。

――「顔蹴るぞ!」ってお住まいの地域でよく使われるフレーズ?

KAOKERUZO 私、生まれも育ちも東京なんですよ(笑)。お母さんが子どもを叱る時に「お尻ペンペンよ!」みたいなニュアンスですかね。

――なるほど(笑)。「女の子だからってナメられたくない」という理由でそのお名前にしたというお話でしたけど、実体験として何かあったんですか?

KAOKERUZO うーん、ナメられるじゃないけど…。

――例えば、「女の子なのにこういうガレージ聴くんだ!?」とか、そういう類の言葉をかけられることが多いとか?

KAOKERUZO そうそうそう、それです! そもそも“女の子が”って言われるのがイヤ。私がDJをやっているということに対して、“女の子がDJを”って、“女の子”ということを先に持ってこられることにすごく違和感を感じるんですよ。単純に「ケルゾの選曲カッコいい」と言われるのは嬉しいけど、「ガレージを流す女の子がいる」という言われ方をするのはやっぱりイヤ。フライヤーを見た人から「てっきり男の人かと思っていた」とかよく言われるけど、そういう経緯からなんです。私アホだし、童顔だし、ヘラヘラしているからナメられがちで。

――うーん、わかる。私も昔にハードコアバンドのライヴへ行っていたら、「えっ、本当に好きなの?」って言われることがあったけれど、特に“若い”と“女の子”のダブルでバイアスかけられるのはキツいですよね。

KAOKERUZO ほんと、まさにそれ! 私は“西野カナ体験”って呼んでいるんですけど、西野カナの歌で、「ハイヒールから彼氏の影響でスニーカーを履き始めた」みたいな歌詞があったりするんですよ。そういう体験、私にはまったくないし! ただ、単純に根っからそういう系の音楽好きなだけ。だから、そういう言われ方にすごく違和感ありますね。性格がネガティヴだから「人から無理しているって思われているのかな?」って感じてしまうし(苦笑)。

――DJ活動はKAOKERUZOと名乗る前からやっていたんですか?

KAOKERUZO いや、最初はレコードを集めていただけです。レコードを集め始めたのは比較的最近で、DJを始める少し前。3年半くらい前かな。レコード収集の方がやや早いっていうくらいで、その期間とDJ活動歴はほぼ同じ。元々は自主制作でリリースしているような海外のバンドをチェックするのが趣味だったんですよ。で、いいバンドを見つけると、そのバンドへ連絡して音源を買うということを繰り返していて。当時はレコードプレイヤーを持っていなかったので、CDを買っていたんですけど。そういう活動を続けていたところ、「そんなにいっぱい音楽を知っているんだったらDJやれば?」って友だちが声をかけてくれて。それでDJをやるようになりました。

――そもそも音楽にのめり込むようになったきっかけって何だったんですか?

KAOKERUZO うちの父親がすごいロックンローラーなんですけど、昔バンドをやっていたり、竹の子族だったりして(笑)。

――ええっ、ほんと?(笑) それはすごい!!!

KAOKERUZO うちの父、いまだにそうなんですよ(苦笑)。私は父親の影響もあって、昔からそういう音楽が好きで。で、ネットラジオで気に入った曲が流れると、すぐラジオ局へ連絡して「今のバンドは誰?」って問い合わせて、バンド名を教えてもらってホームページをチェックして。そういうことを学生時代からずっとやっていました。

――そういう作業、楽しいですよね。では、幼少時代、例えばどういう音楽をお父様と一緒に聴いていたんですか?

KAOKERUZO 一番影響受けたのは映画『ブルース・ブラザーズ』。というか、家にいる時はそれしか観せてもらえなかったですね(笑)。例えば、「お父さんとお留守番しててね!」って母親が外出すると、私の観たい『(美少女戦士)セーラームーン』ではなく、『ブルース・ブラザーズ』(のDVD)がセットされて、「踊れ!」って指令が出るという(笑)。『ブルース・ブラザーズ』を観ている時は当然のように父の解説が入るんですよ。「このふたりは何があっても死なないんだ! だからカッコいいんだ!!!」って。そのあたりから徐々に昔のロックンロールとか、ブルース的な音楽をずっと聴いていて。父の歌う子守唄ももちろんその系統で、時々エリック・クラプトンが挟まれる…みたいな(笑)。

――筋金入り。幼少の頃からロックンロールの英才教育を受けていたわけですね(笑)。

KAOKERUZO 当時は音楽を聴いていたというより、父の歌うキャロルやクールスをボーっと聴いていたという感覚ですね。

――へえ、カッコいい!

KAOKERUZO ただ、高校時代はブルーハーツとか、ピーズやジャパハリ(ネット)とか、パンク系をずっと聴いていて、父親系のロックンロールは聴かなかったんですけど、これが(ロックのジャンルを)一周回るとまた戻ってしまうものなんですよ(笑)。

――最高ですね。お父様は今どんな感じでおられますか?

KAOKERUZO 今はお遊びでバンドやっていますよ。昔はガチでやっていたみたい。私のイベントにも時々遊びに来てくれるんですけど、今でもギンギンだから逆に怖いんですよ(笑)。いや、竹の子族をやっているわけではないけど、余韻は多少残しているかな…。

――(笑)幼少の頃からずっとロックに親しんできていて、ケルゾさん自身、どこかでバンドをやろうみたいなタイミングはなかったですか?

KAOKERUZO やっぱりあって、一瞬バンドを組んだ時期もありました。でも1年も続かず辞めちゃいましたね。曲を与えられて演奏する分には楽しかったんですけど、一から曲を作ることにはあまり関心がなかったみたいで。やっぱりレコードを探してバンドと出会ってその音を聴くのが楽しい。今DJすることが死ぬほど楽しいです!

!KERUZO DADDYフォトギャラリー!

イカすぜ、KERUZOパパ!
せっかくなのでいただいた写真を全掲載(提供 KAOKERUZO)

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