Interview | THE PATS PATS

Interview | THE PATS PATS

THE PATS PATS

もう不安はない。

今は胸張って

「最高でしょ?」って言える!

グッドメロディをシンプルな演奏に乗せて歌うTHE PATS PATS(ぱっつぱっつ)が、来日公演で対バンして以来の朋友PEACH KELLI POP(ピーチケリポップ:以下PKP)とPKPの地元カリフォルニアでツアーを敢行。そのツアーを記念してスプリットCD『S/T』を製作、先日日本でもリリースした。

振り返ってみると近年のぱっつぱっつはそれ以前に比べるとライヴ活動が控えめで、あきこ(Vo/G)がMiss Heavenly名義のソロワークスをマイペースに行っているという状況だった。それがどうだろう。ここに来て、いや、確実にこのカリフォルニアツアーをきっかけにしてバンドとしてのバイブスがブチ上がっている。日米ガーリーポップパンクバンドによる二度目のスプリット作品を聴いても、凱旋公演として行われたワンマンライヴを観ても、一目/一聴瞭然。新作に収録されたぱっつぱっつトラックスは、魔法にかかったような眩いオーラを放っている。ロックも、アートも、詰まるところエネルギーの爆発。それを痛感する場面が最近多いのだけど、今のぱっつぱっつを見ていても、その言葉が頭の中を何度も行き来する。

一体ぱっつぱっつに何があったのか?

前作『Sing and Pretty』以降のバンドの様子を始め、カリフォルニアツアー敢行したきっかけ、PKPとのスプリット作品を軸に、あきことみどり (Vo/B)のふたりへ、ひとつひとつ紐解くべく話を聞いて来たので以下じっくりと読み進めてほしい。

気になるカリフォルニアツアーの振り返りインタビューは、追って改めて公開する予定。新作を聴きながら、どうぞ楽しみにお待ちください!

Member(L→R)  みどり (Vo/B)  耕太郎(Dr) あきこ(Vo/G)
Interview/Text/Photo(*) Ayumi Tsubouchi
Photo(top)  Rika Tomomatsu

PKPとの出会いは大きな出来事だった

――2017年にリリースした10インチ『Sing and Pretty』以降、ぱっつぱっつはどうしていましたか?

あきこ プライベートがゴタゴタしていてメンタルが死んでいて…特に冬は冬眠モードでした(笑)。けど、翌春PASSiON RECORDS(以下パショレコ)のイベントでライヴをしたら、やっぱり私はバンドをやることでしか救われないのかなって改めてバンドの素晴らしさを感じたんですね。あと、同じイベントに出ていたレーベル仲間のトッシーさん(RUN RUN RUNS)と話した時に、「メンタルが落ちた時期は自分にもあったけど、絶対に今ある曲よりも良い曲を書くことがあこたす(あきこ)ならできるよ」って励ましてもらって。それで、「よし、生きよう!」と。

――なるほど。

あきこ メンタルが弱っている時って私は表現がパーソナルなものになりがちで、Miss Heavenlyというソロプロジェクトを始めたのもその頃。ソロ名義では5曲くらい書いたけど、ぱっつぱっつの曲は1曲くらいしか作っていなかったんです。

――ふむふむ。

あきこ 私がすっかり停滞モードだったそんな時にみどりちゃんが突然、「よし、カリフォルニア行こう!」って切り出してくれたんですよ。驚いたけど、不思議と「じゃ、行っちゃおう!」って答えていた自分がいて即決。すぐPEACH KELLI POP(以下PKP)のアリー、ソフィー(PKP元メンバー)、ミンディ(PKP元メンバー)へ連絡して、「10月下旬に行くよー!」って宣言したんです(笑)。前からアリーに「あきこたちが来たら絶対に私がオーガナイズする」って言われていて絶対に行けると信じていたし、カリフォルニアでライヴすることにまったく不安がなかったんですよ。お客さんが3人しか来なかったらどうしよう…みたいな不安は1ミリもなくて、むしろ実際に行ったら人気者になれるんじゃないかなと思うくらいで(笑)。

――良いね。

あきこ 当初はカリフォルニへ行ってライヴをすることだけに集中しようと思っていたけど、渡米する前に周囲に相談していくうちにPKPとのスプリット音源を作ろうという話になって。話を進めていくうちに二転三転ありながら、結局パショレコからのリリースに至ったという感じです。

――そういえば、PKPとの出会いっていつだったのだっけ?

あきこ 2014年くらいかな。今回のライヴでアリーも私たちとの出会いについてトークしてくれていたんですけど、5〜6年前? PKPと初めて出会ったのは、八王子で『MATSURI』というイベントを主催しているヒロさんがPKPジャパンツアーの対バンとして声をかけてくれたのがきっかけなんですよ。ぱっつぱっつにとってPKPとの出会いは本当に大きな出来事でした。

――出会った次のジャパンツアーのタイミングでPKPPPのスプリットカセット音源をリリースしたんだよね?

あきこ そうです! 初めて出会った時からお互いにシンパシーを感じていて、特にセーラームーンの話をして意気投合したという感じでしたね。当時からPKPが次来る時はまたぱっつぱっつ(と共演)みたいなムードは周囲にもあったと思う。それでTEA RECORDSの所(晃広)さんからPKPPPのカセット音源リリースをしようって声をかけてもらって。2014年に出会って、翌年の来日に合わせてカセット音源を発売。で、その時に初めてPKPと一緒に遊びに行ったりしたんですよ。ミンディと出会ったのもその時でした。

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