Interview | コーヒー&ローストNATTS(ナッツ)門柳秀子

Interview | コーヒー&ローストNATTS(ナッツ)門柳秀子

コーヒー&ローストNatts

たかがコーヒーかもしれないけど、大きな“モノ”にもなる。

 その美味しさに魅了されてもう何年? ずっと愛飲している自家焙煎コーヒーを自分のお店から音楽好きの方々へ届けたい。そんな思いからVAMP! SHOPでNatts(ナッツ)のコーヒー販売をスタートして今月でちょうど1年。 私に言わせれば “飲んだ人から虜にしていく”このコーヒー。もっともっとたくさんの方に知ってもらいたい。「美味しい」のひと言だけでなく、「美味しい」に辿り着くまでのストーリーも伝えたい…という気持ちが高まりすぎて、いよいよ”ナッツのママ”門柳秀子さんを直撃することに。聞けば、ナッツは2021年で創業30周年とのことで、謀らずもお店の節目となる良きタイミングでのインタビューとなった。ママがひとりで営むお店の歴史から定番人気の“ナッツブレンド”誕生秘話、ママと音楽、それから今後について。一杯のコーヒーから広がるストーリー。コーヒー豆に込められた思いやこだわり。ママのブレない美学。続くテキストからその面白さや魅力を感じ取ってもらえたら嬉しい。VAMP! SHOPの通販でも購入可能なナッツのコーヒー。ロックのレコードとも相性抜群なので、ぜひ一杯お試しあれ。そこからステキなストーリーが始まりますよ、きっと。

Interview / Text  / Photo(except *)  Ayumi Tsubouch

偶然が偶然を呼んでナッツをオープン

⏤⏤2021年でナッツは30周年だそうですね! おめでとうございます。

ありがとう。30周年…もうそんなに経つの?!というのが正直なところ。周りのお客さんに支えられてやってこれたということを実感するね。


⏤⏤お店はどのように始まったのですか?

私は元々東北新社のOLだったんだけど、当時幼かった娘と娘が小学生になったら仕事を辞めるねって約束をしていたからそのタイミングで会社勤めを辞めて。それから少し経った頃だったかな。友人たちとバーベキューをした時に「会社辞めたら急に暇になっちゃって」って話をしていたら、偶然お店でコーヒーの焙煎をやっている友だちがいてそこで働かせてもらえることになったのよ。それをきっかけに娘が学校へ行っている間にパートへ行って焙煎技術を覚えていったという。

⏤⏤あ、案外偶然から始まったのですね。

そう(笑)。そしたらうちの父が“この”場所を建て直すって言い始めて。というのは、“ここ”は元々うちの父が会社として使っていた場所だったのよ。私は子どもの頃から ずっと“ここ”で何かしたいって空想していて、夢を抱いてきていたわけ。「いつかはここで…ピアノの先生をやろうかな?」「ブティックをしようかな?」とか。ついにその時が来たって感じで、父に「この場所を私に提供してください」って改めてお願いして改築してもらったの。そうなるまでは、まさか“そこ”がコーヒーのお店になるとは思っていなかったけどね(笑)。

⏤⏤自分でもビックリと(笑)。

コーヒーは生のまま置いておくと”オールドビーンズ”と言って何年モノと呼ばれる豆になるし、湿気がない限りはカビにもならない。コーヒーって無駄になることがない。お店をやるのに、そういうところも魅力だったね。

⏤なるほど。

焙煎機もね、当時パートで行っていたお店と同じものをオープンの時に購入して、あれから30年ずっと活躍してくれているんだよね。小さい焙煎機は一度買い替えてはいるけど。

⏤⏤コーヒー屋さんのパートはどのくらいやっていたんですか?


2年くらいかな。その間に喫茶学校へ通ったり、サンドイッチとか軽食の作り方を教わったり、あとは保健所の許可証をもらうために講習へ行ったこともあったね。

⏤⏤店舗はママのイメージ通りにお父様が改築されたわけですね?

そう。一応設計士さんにお願いして飽きのこない内装にしてもらったの。テーブルもしっかりしたものを使って、贅沢に作らせてもらったね。

⏤⏤そのテーブルも含めて30年間内装も変わらず、ですか?

そう。コロナ禍の影響で椅子を減らして、パーテーションも設置しているから今はちょっと鬱陶しい感じだけど(笑)。

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